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POホスファチジルコリン・DLホスファチジルコリン
-ヒト認知機能障害に対する改善効果(国内特許取得)

ホスファチジルコリンは生体内物質で細胞膜の構成成分の一つです。ホスファチジルコリンは通常、1位(α位)に飽和脂肪酸、2位(β位)に不飽和脂肪酸、3位(γ位)にコリンが付いています(図1)。ホスファチジルコリンはホスフォリパーゼA2を介して2位(β位)で加水分解され、不飽和脂肪酸とリゾホスファチジルコリンが産生されます(図2)。また、ホスファチジルコリンはホスフォリパーゼDを介して3位(γ位)で加水分解され、コリンとホスファチジン酸が産生されます。さらに、ホスファチジン酸はホスフォリパーゼA2を介して2位(β位)で加水分解され、不飽和脂肪酸とリゾホスファチジン酸が産生されます(図3)

図1. ホスファチジルコリンの構造
図1.ホスファチジルコリンの構造
図2. ホスフォリパーゼA2を介したホスファチジルコリンの代謝経路
図2.ホスフォリパーゼA2を介したホスファチジルコリンの代謝経路
図3. ホスフォリパーゼD/ホスフォリパーゼA2を介したホスファチジルコリンの代謝経路
図3.ホスフォリパーゼD/ホスフォリパーゼA2を介したホスファチジルコリンの代謝経路

コリンは認知機能を調節する神経伝達物質の一つであるアセチルコリンの原料になります。現在、我が国で唯一使用されている認知症治療薬である塩酸ドネペジル(アリセプト)は、アセチルコリンの分解を防ぎ、コリン作動性神経伝達を促進させる薬剤です。また、コリンはα7アセチリコリン受容体の活性化剤として作用します。アラキドン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ドコサヘキサ塩酸 (DHA) 等の不飽和脂肪酸はタンパク質燐酸化酵素C (PKC) の活性化を通してα7アセチリコリン受容体反応を増大し、神経伝達物質の放出を刺激することによってシナプス伝達長期増強現象 (LTP) を誘発します。リゾホスファチジン酸、リゾホスファチジルコリンもPKC活性化を通してα7アセチリコリン受容体反応を増大します。

シナプス活動を評価する実験系において、強い電気刺激(高頻度刺激)を与えるとシナプス活動は基準値の150-200%にまで増強され、これが2時間以上にわたってみられる現象をLTPといいます(図4)。これに対して、弱い電気刺激(低頻度刺激)を与えるとシナプス活動は基準値の50%前後にまで減弱され、これが2時間以上にわたってみられる現象をシナプス伝達長期抑圧現象 (LTD)といいます(図4)。LTPとLTDは学習・記憶の細胞モデルであり、LTPは学習に、LTDは記憶に関与すると思われます(図5)

図4. LTPとLTD
図4.LTPとLTD
図5. LTPとLTDの関係
図5.LTPとLTDの関係